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襖の貼り替え(貼り方・本襖編)
クロスや壁同様、襖も年月が経つと、埃や日焼け、タバコのヤニなどで変色してきます。又、物をぶつけて、襖が破れたり、汚れたりする事もあります。襖の種類にもよりますが、襖紙の貼り替えはそれ程難しくないので、襖の汚れが目立ったら、襖を貼り替えてみてはいかがでしょうか?
襖の種類
まず、襖の種類を調べましょう。種類としては
1、本襖
- 一般的な襖で枠が外せます。比較的簡単に綺麗に貼り替えができます。普通、枠を外して襖紙を貼り替えますが、外さないで、2の戸襖(板襖)を貼るやり方で貼る事もできます。
2、戸襖(板襖)
- 板で出来た建具の上に襖紙が貼ってあります。枠は外れません。部屋と廊下の間やリビングと和室の間等に使われている事が多いです。重いです。襖の貼り替えの行程は、枠を外さないので本襖より楽ですが、綺麗に貼るにはコツ(慣れ)がいります。
3、その他の襖(ダンボール、ペーパーコア、枠がプラスチックやアルミ等)
- マンションによっては、新しい材質の襖が使われている事があります。枠は多くの場合外せません。襖の貼り替え方としては、2の戸襖(板襖)の張り替え方と同じ要領で貼れますが、ダンボール襖など耐久性が弱く裏表両面綺麗に貼らないと反り返りの原因になったり、アルミ枠の襖で下地のベニヤがボロボロになっていて下地処理が大変だったり・・・物によっては相当難しい時があります。
襖の種類の見分け方
戸襖(板襖)は見分けやすく、叩くとコツコツと板の音がします。廊下と部屋の間等に戸襖(板襖)はよく使われています。
本襖とダンボール襖の違いは分かりづらいです。取っ手を取ってみましょう。ダンボールかどうか分かります。ダンボール襖の場合、取っ手が襖に(釘ではなく)木工ボンドで貼付けられています。無理に取ろうとすると割れるので注意して下さい。
1、本襖の貼り替え方
●まず、枠と襖に番号を打って、襖に枠を取り付ける時に、どの枠がどの襖のどの部分に付いていたのか分かるようにします。枠を違う襖に取り付けてしまうと、ちょっとした寸法の違いから、建て付けが悪くなります。

●次に、襖の枠と取っ手を外します。
枠は「折れ合い釘式」「木ネジ式」「打ち釘式」の3種類のどれかで留っています。
長い縦枠の横を見て下さい。釘が何カ所に打ってあれば「打ち釘式」の襖です。インテリアバール(なければマイナスドライバーなど)を使ってテコの原理で枠を外します。枠のふちを傷つけないように注意が必要です。

インテリアバール


外した後は、釘の尖った部分が出たままだと危ないので(取り付ける時の事も考えて)カナズチで出てる部分を打ちます。

襖の縦枠の横を見て、釘で留っていなければ「折れ合い釘式」か「木ネジ式」です。枠を叩いてずらして外します。

木ネジ式襖

木ネジ式襖
襖から出ている木ネジに枠のへこみが引っかかって留っている木ネジ式の襖。スライドさせる事で外れる場所があります。上下どちらにスライドさせれば良いかは決まっていないようで、どちらの場合もあります。
「折れ合い釘式」は「木ネジ」の部分が直角に折れ曲がった釘になっていて、こちらも枠を上下どちらかにスライドさせれば枠が取れます。(枠をカナズチで叩くときは当て木をして枠が傷つかないようにしましょう。)

折れ合い釘式襖
上下の木枠はほとんどの場合「打ち釘式」です。インテリアバールを差し込んで、外しましょう。
例外)古い襖では、「木ネジ式」や「折れ合い釘式」でも、何カ所か枠を釘を打って止めている場合があります(枠が外れかかっているのを釘で止めている)。この場合厄介です。まず、インテリアバール等を使って少し釘の頭が出るように持ち上げ、ペンチ等で釘を抜きます。その後に枠を叩きスライドさせて枠を外します。
●襖の取っ手を取ります。


上下小さな釘で止められている事が多いです。釘の頭が全然出てなくて(釘抜き用の)ペンチ等でつかめない時はインテリアバールやマイナスドライバーで取っ手を少し浮かすと、釘の頭が出て来て、つかめるようになります。プラスチックの取っては割れやすいので注意しましょう。割れたら買い替えます。(プラスチックの取っては高くありません。サイズに注意しましょう)
2、襖の下地を作る
襖は3枚程度なら上から重ねばりできます。枚数が多い時は襖の建て付けが悪くなったり、紙の厚みで襖がこすれたりする事があるので、紙を何枚か取ります。また、破けている所は半紙や襖紙の切れ端等を貼って補修しておきます。
3、襖紙を切って糊を付ける
襖紙を切ります。襖の寸法より2cmぐらい大きく切ります。これで上下左右1cmづつのりしろがある事になります。
糊をつくります。買って来たのりを水で溶いてトロッと刷毛から垂れるぐらいの固さにします。また、水も用意します。

左:溶いた糊 右:水(少しだけ糊を溶かしたもの)
襖紙全体に刷毛やスポンジを使って水を付けます。次に縁の部分に刷毛で糊を付けていきます。
4、襖紙を貼る
慣れると、立てかけた襖に、襖紙の上の両角を持って襖に合わせる方法が手早くできます。
1、まず、襖紙の上の両角のりしろ部分を持って、立てかけてある襖の両角に合わせて上1/4ぐらいを仮止めします。このまま下まで綺麗に襖紙ののりしろが左右上下均一になっていればいいのですが、なかなか襖紙が途中でくっついたり、少し斜めになっていたりで、真っ直ぐにならない時があります。
2、襖紙の下を少し浮かして、中央の両脇を手で持ち、襖のサイドに均等になるようにします。次に、下の両脇が均等になるようにします。下まで終わって、中央と上部の仮止めした所にかなりたわみがあれば、上部の仮止めを取ってたわみや空気を取ります。
上下左右、ちゃんとのりしろが残っているか。大きなたわみがないか確認します。
3、なで刷毛で空気を抜きます。
中央から外に向かって動かして、空気を押し出していきます。(襖紙は、水で濡れて伸びている状態なので全体的にぼこぼこしたたるみがあるのは大丈夫です。乾くと張ります)
襖紙の上下左右を軽く手の平で引っ張る様な感じで襖に巻き込み、接着させます。角の余った部分ははさみで切り取ります。


これぐらいのしわは乾くと伸びます。
ちゃんと糊しろ部分がくっついているか確認しましょう。(夏場など乾きが早いと、手早くやらないと襖にくっつく前に糊が乾いてしまう時があります。)
4、襖の厚みより出たのりしろ部分をカットする。
襖の厚みの部分よりのりしろの紙が出ていたら、厚み部分の中央ぐらいで余分な紙をカッターで切ります。(「折れ合い釘式」や「木ネジ式」は突起が出ているので少しカットしにくいです。)慣れて来ると、襖紙を襖の大きさにカットする時、のりしろ部分をもう少し、少なくした方がこのカット作業がいらなくて早く貼れます。
二人いれば
二人いれば、糊をつけた襖紙の上に、二人で襖を上下左右均等になるよう気を付けながら置いて、貼る事もできます。初心者にオススメです。
5、取っ手(引手)と枠を付ける
襖を手でなぞって、引手の穴の位置を見つけ、カッターで切り込みを入れます。襖の番号が分からなくならないようにこの部分に襖の番号を書いておきます。
枠を、取外した時と逆の要領で取り付けていきます。襖の番号と位置を間違わないように注意して下さい。「折れ合い釘式」の襖の場合、釘の向きや曲がり具合が取外す時に良くずれるので、そろえてからはめて下さい。
最後に引手を取り付けます。
襖がかなり古い場合は、新しい襖を買うというのもいいかもしれません。
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